これを語るには時期が非常に早いのだが、所謂文科系の専門課程に所属して考えていたこと、パート1。

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 教養課程と専門課程の区別に関してそう厳密になるべき
ではないといった見方がある一方で(つまり楔形のカリ
キュラムが普及している現状を鑑みてといった意味だが)、
要求される高度な専門性に対し一般的な定義を与えている、
つまり仕事で要求される水準に達しているか否か等の事情
を抱えている分野が多いことは重々承知している(主に
工学系を念頭に言及しているつもりではあるが..)。

 アカデミズムをどう把握するかによって、専門の意味
に違いがでてくると思われるが、「役に立つ」といった
ことをどう把握するかにも依存する問題と考えており、
私自身は定義そのものを幅広く捉えたいといった立場に
いることを最初に申し添えたい(こう話すと理学系の
立場をもう少し考慮しろといった声が出てくるのだが)。

 私は、それでは教養課程と変わりないではないかと指摘
を受けそうな雰囲気の中、マジョリティの特性やマイノリ
ティの特性と相互関係、過去及び現在の民族的特性とその
影響、ある事象が与えるある層の特性の内的及び外的変化
の認識に対する新しい枠組み等、色々あるが、主に人々の
考え方に理論的背景を与え、それに対する理解を共有する
ことが幾つかの文科系の学問の中に包含されているのでは
ないかと考えており(それでは衒学ではないかとお叱りを
受けそうな中、そういった趣旨ではないといった立場に
立っている)、つまり端的に言えば、社会常識の背景に
ある考え方を説明する役割があり、それは人間社会の健全
な発展に寄与するだろうといった見方に時として立つこと
があることを否定できない。

 「役に立つ」と言っても、広範囲においてそうである
といった意味合いのため、限られた分野でそうである工学
と比較すると、技術の利益は技術者に還元されるが、文科
系の専門課程に所属して得られる知識及び考え方とは、
その利益を皆に還元する性質を有するため(もちろん工学
の普遍性を否定している訳ではないが)、慈善家とは異な
るが、短期の視点で成果を出す必要に迫られている企業人
とは接点が少ないことも事実である。

 例えば学部3〜4年のレベルで話をさせて戴くと、「
何故、産業の保護、育成が必要とされながらも、自由貿易
が全体として好ましいとされているのか」といった問いや、
「どの程度寡占市場や独占市場は完全競争市場に対して
経済厚生を損ねているか」といった問いに対して、ある物
の見方(立場によって多様な見方があってしかるべきだが、
この国は他国を見倣うことが多いため、立場固有の多様性
が見方に反映されていない..)を提示することができる
様にはなるかもしれないが(しかしこの程度なら義務教育
の子供でも理解できるロジックだが..)、それは選挙の
ときには役に立つ知識かもしれないものの、実生活を豊か
にするかと問われれば、それは実生活が要求する知識を
別枠で獲得する努力を続けなければならないといった知恵
を身に付ける必要があるといった結論になることが、工学
と違うとも言えるところである、つまり、常識を支える
バランス感覚を理論的に説明する能力を養成している特性
のため、専門性の獲得が意味するところを健全な社会性の
獲得ぐらいの意味合いに押し止めるベクトルが働いている
一方、健全な社会の発展のダイナミズムを多様な方法で
支持するぐらいのことはやっても構わないだろうと考え
たくなるときがあるのも事実だ。

 但し現実を忘れなければ、といった条件は常に付き
まとうだろう。文科系の専門課程に対する社会からの
要請が多々あることを耳にする機会が多いが、それは
大学院の方に上がっている声であり、学部に対してそう
した声があるとの話を聞く機会がないのは、工学とも
同様ではないかと考え直すときがある。

 この記事はやや書きにくかった、つまり「所謂
理科系の専門課程に所属して考えていたこと」と
タイトルを打ったとしても、やはり物理ならこう、
機械ならこう、といった具合で理科系の全体像を
イメージしながら記事を書くのは結構大変なこと
ではないかと考えることがあるからだ。私も専門
外の事柄を包含させながら話を進めるのに苦労した
が、また機会があればそのときに纏めてみたい。

 ここからが今日の課題。

 英検対策は語彙とエッセイ。WSGREの正答率は、
2/13。dissolution, 溶解、dissemble, 真実を隠す、
dross, 不純物、dupe, だまされやすい人、disparage,
〜を見くびる、dissonance, 不協和、distrait, うわの空、
eclectic, 多方面に亘る、ebullience, 元気のいい、
egress, 出口、edifying, 啓発、等で失点しており、
周回が必要か。

 独検対策は語彙と聞き取り。これを周回したら
次に移る予定だが、じっくり取り組む必要があり、
まあのんびり進めても問題は少ないだろう。

 明日もがんばろう。

 では。

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2016・11・15 改訂
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この記事について

このページは、Suzuki TakashiがDecember 16, 2010 8:12 PMに書いた記事です。

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