why の用法について。

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 昨日から気になって仕方がなかったことの1つに why がある。
つまり、書き換える以上、意味も転じてしまうから、あれは
誤訳だったのではないか??といったことだ。

 おさらいする。関副の why に非制限用法はない。しかし、
for which を用いれば可、と書いた。しかし辞書には、
for which reason の形式、つまり関係形容詞のときに可、
と記述がある。

 for which を非制限用法で用いた文章を探した。
http://nobelprize.org/physics/laureates/1921/press.html
でようやく発見。

 スウェーデンの化学者のアレニウスが、1922年の12月10日
に講演したもので、本文の該当箇所を抜粋すると、

A third group of studies, for which in particular Einstein
has received the Nobel Prize, falls within the domain of
the quantum theory founded by Planck in 1900.

 訳すと、「3番目のグループの研究によって、特にアイン
シュタインはノーベル賞を授与されたのだが、この研究は、
1900年にプランクによって発見された量子論の分野の
中に埋没している。」となる。

 ここで、先行詞が the reason 及び the cause のときに why を
用いることができるわけだが、確かに、for which は非制限
用法で用いられているが、why と言い換えることはできない
事実がある。

 つまり、the reason for which の形式はあっても、the reason,
for which の形式はないことを、改めて学ぶ。

 これが修正事項の1つ目。そして、

I know no reason, for which a minister shouldn't look for a wife.

と書いたが、前から訳し下すと、「私は、色々なケースによって複数
存在するであろう『理由』というものを一切知らない」「そして、私
の知らぬ理由というものによって、牧師は妻を求めてはいけない
のだ」といった意味になるが、前半がおかしくないか?

i 個の対象が j 種類の状態で存在すると仮定しよう。すると、この
対象が存在するために必要な理由というものは、i × j 通り存在
するはずだ。それを全て知らない、と言い切るためには、余程、
世間のことを知らない存在 = 私 か、逆に、それほど世界に幻滅
している存在 = 私、のいずれかだろう、と推察される。

 つまり、この例文が成り立つには、精神的に追い詰められた状況
が推察されるわけだが、これは考えすぎなのだろう??
ということで、文の意味を考え、この例文は不適当と判断するに
至った。これが2つ目。

 最後に、まいるすゑびす さんの指摘。

Why they didn't go to see the house is that they
prefer to live in an apartment.

これは、ランダムハウス英和大辞典の p3111 から抜粋した
ものなので、文法的に間違いはないのだが、若干補足が必要。

The reason for the long delays was because the costs
greatly exceeded the original estimates.
(大幅な遅れは当初の見積もりよりはるかにコスト高になったため
 であった。)

 スワンは、実例現代英語用法辞典の中で、「reason のあとに、
because節を補語として用いるのは誤用だと考える人もいる」
p471 と説明しているが、ランダムハウスでは、「特に《話》では
ごく普通に使われている」 p2255 と指摘。そして

Why I went to bed early was because I was tired.
(早く寝たのは疲れていたからだ)

 文頭に why がきて、疑問文でない例文を収録。要は、
the reason を省略するケースと、why を省略するケースが
あり、まちまちだ、といったことが調査の報告結果。

 ただ、僕は、エッセイのときには、the reason why ~ that
の形で文章を書き上げることを付け加えておく。

 ここからが、今日のノルマ。

 TOEIC対策は攻略本。正答率は、パート3が5/8で、
パート6が4/20、ディクテーションは20/41。

 パート6が壊滅的だが、誤文訂正を鍛えなおす、いい
チャンスととらえる。

 伊検対策は、適語補充が7/7、動詞の活用が7/7、
和訳が11/12、と調子がいい。何かが悪いときは、
何かが良くなっているのだろうか。

 明日もがんばろう。

 では。

P.S. この記事に付き合ってくださった読者の皆様、ありがとう
 ございます。leaning journal も、精進致します。また、
 コメントをくださった、まいるすゑびす さん、ありがとう
 ございます。今後とも宜しく願います。

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2016・11・15 改訂
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このページは、Suzuki TakashiがJuly 3, 2005 5:15 AMに書いた記事です。

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